今回は「クジラの構文」を取り上げます。no more A than Bとno less A than Bというやつですね。
あのゴチャゴチャしたやつ…
一見ごちゃごちゃしていますが、実は一発で覚える方法があるのです。
今回は似たような表現もまとめてみましたので、一緒に押さえてしまいましょう!
クジラの構文: no more A than Bとno less A than Bの意味と書き換え
クジラの構文の意味と書き換えは下記のとおりです。
“A whale is no more a fish than a horse.”という例文をもとに考えていきましょう。
<no more A than Bの訳し方>
- thanの前後で二つに分ける ⇒①A whale is no more a fish / ②a horse is
- ②の構文を①の構文とそろえる ⇒①A whale is no more a fish / ②a horse is a fish
- 「①でないのは、②でないのと同じことだ」と訳す ⇒クジラが魚でないのは、馬が魚でないのと同じことだ
<書き換え>
- no more A than B = not A any more than B: Aが~でないのは、Bが~でないのと同じことだ
⇒noは「- (マイナス)」、moreは「+ (プラス)」。- (マイナス)に+ (プラス)をかけると- (マイナス)なので、「でない」と否定的な意味になる
- no less A than B (= not A any less than B*): Aが~であるのは、Bが~であるのと同じことだ
⇒noは「- (マイナス)」、lessは「- (マイナス)」。- (マイナス)に- (マイナス)をかけると+ (プラス)なので、「である」と肯定的な意味になる
* not A any less than Bの形は非常に稀
<クジラの構文のポイント>
- Bの部分に「当たり前の事実」がきて、「それと同じくらいAも当たり前」と際立たせる
まず最初のポイントは、thanの前後で文を二つに分けることです。
①A whale is no more a fish
②a horse is
という感じですね。
次に、②の文を①の文にそろえます。②では同じことの繰り返しを避けるため、一部単語が省略されていることが多いんですね。そのため、省略を補って考えてみます。
①A whale is no more a fish
②a horse is a fish
赤字が省略部分ですね。
最後に、「①でないのは、②でないのと同じことだ」と訳します。
①でない、
②でないのと同じ
のように、「~でない」と訳をそろえることを意識してください。文末に「同じことだ」と入れれば完成です。
noは「- (マイナス)」、moreは「+ (プラス)」。- (マイナス)に+ (プラス)をかけると- (マイナス)なので、「でない」と否定的な意味になっている点に注目です。
冒頭の例文を改めてみてみるとこんな感じです。今度はスッと頭に入ってきますね!
A whale is no more a fish than a horse is.
(クジラが魚でないのは、馬は魚ではないのと同じことだ)
一番言いたいのは、「クジラは魚じゃないよ!」というコトです。
そのために「馬は魚じゃない」という当たり前のコトを引き合いに出し、「クジラは魚じゃない」コトを際立たせているわけです。
類似・書き換え表現
そのほかの類似表現を取り上げます。基本はクジラの構文と全く同じです。
not A any more than B
not A any more than Bで、「A~でないのはBでないのと同じことだ」と訳します。noがnot anyに分解されたと考えてください。
訳は、クジラの構文と全く同じですね。
thanの前後で分け、省略部分を補い、
最後に
①でない
②でないのと同じ
と訳してください。
A whale is not a fish any more than a horse is.
= A whale is no more a fish than a horse is.
(クジラが魚でないのは、馬は魚ではないのと同じことだ)
no less A than B
no less A than Bで、「Aであるのは、Bであるのと同じことだ」と訳します。
例文を見てみましょう。
Mary is no less beautiful than Judy is.
(メアリが美しいのは、ジュディが美しいのと同じことだ)
基本は、no moreのときと同じです。
まずthanの前後で文を二つに分けます。
①Mary is no less beautiful
②Judy is
次に、②の文を①の文にそろえます。省略を補うわけですね。
①Mary is no less beautiful
②Judy is beautiful
最後に、「①であるのは、②であるのと同じことだ」と訳します。
①である、
②であるのと同じ
のように、「~である」と訳をそろえることを意識してください。文末に「同じことだ」と入れれば完成です。
お気づきの方もいる通り、no moreでは「~でない」と訳しましたがno lessでは「~である」と訳しています。noは「- (マイナス)」、lessは「- (マイナス)」。- (マイナス)に- (マイナス)をかけると+ (プラス)なので、「である」と肯定的な意味になっている点に注目です。
Mary is no less beautiful than Judy is.
(メアリが美しいのは、ジュディが美しいのと同じことだ)
この文では、「ジュディが美しい」のが自明の事実として考えられているのですね。「ジュディが美しい」のと同じように「メアリが美しい」と、メアリの美しさを際立たせようとしているわけですね。
まとめ
最後にまとめです。今回のポイントをまとめます。
<no more A than Bの訳し方>
- thanの前後で二つに分ける ⇒①A whale is no more a fish / ②a horse is
- ②の構文を①の構文とそろえる ⇒①A whale is no more a fish / ②a horse is a fish
- 「①でないのは、②でないのと同じことだ」と訳す ⇒クジラが魚でないのは、馬が魚でないのと同じことだ
<書き換え>
- no more A than B = not A any more than B: Aが~でないのは、Bが~でないのと同じことだ
⇒noは「- (マイナス)」、moreは「+ (プラス)」。- (マイナス)に+ (プラス)をかけると- (マイナス)なので、「でない」と否定的な意味になる
- no less A than B (= not A any less than B*): Aが~であるのは、Bが~であるのと同じことだ
⇒noは「- (マイナス)」、lessは「- (マイナス)」。- (マイナス)に- (マイナス)をかけると+ (プラス)なので、「である」と肯定的な意味になる
* not A any less than Bの形は非常に稀
<クジラの構文のポイント>
- Bの部分に「当たり前の事実」がきて、「それと同じくらいAも当たり前」と際立たせる
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