今回は「クジラの構文」を取り上げます。no more~than…というやつですね。

あのゴチャゴチャしたやつ…
大丈夫です。
一見ごちゃごちゃしていますが、実は一発で覚える方法があるのです。
今回は似たような表現もまとめてみましたので、一緒に押さえてしまいましょう!
クジラの構文の例文
no more~than…で、「~でないのは、…でないのと同じことだ」と訳します。
まずは例文を見てみましょう。
A whale is no more a fish than a horse is.
(クジラが魚でないのは、馬は魚ではないのと同じことだ)
一番言いたいのは、「クジラは魚じゃないよ!」というコトです。
そのために「馬は魚じゃない」という当たり前のコトを引き合いに出し、
「クジラは魚じゃない」コトを際立たせているわけです。

どうしてこんな訳になるの…?
クジラの構文の構造と訳し方を見ていきましょう。
クジラの構文の訳し方
クジラの構文の訳し方は、全部で3ステップに分けられます。
先ほどの例文
A whale is no more a fish than a horse is.
で見てみましょう。
- thanの前後で二つに分ける →①A whale is no more a fish / ②a horse is
- ②の構文を①の構文とそろえる →①A whale is no more a fish / ②a horse is a fish
- 「①でないのは、②でないのと同じことだ」と訳す →クジラが魚でないのは、馬が魚出ないのと同じことだ
まず最初のポイントは、thanの前後で文を二つに分けることです。
①A whale is no more a fish
②a horse is
という感じですね。
次に、②の文を①の文にそろえます。②では同じことの繰り返しを避けるため、一部単語が省略されていることが多いんですね。そのため、省略を補って考えてみます。
①A whale is no more a fish
②a horse is a fish
赤字が省略部分ですね。
最後に、「①でないのは、②でないのと同じことだ」と訳します。
①でない、
②でないのと同じ
のように、「~でない」と訳をそろえることを意識してください。
文末に「同じことだ」と入れれば完成です。
冒頭の例文を改めてみてみるとこんな感じです。今度はスッと頭に入ってきますね!
A whale is no more a fish than a horse is.
(クジラが魚でないのは、馬は魚ではないのと同じことだ)
その他類似表現
そのほかの類似表現を取り上げます。
全部で二つ。基本はクジラの構文と全く同じです。
not~any more than…
not~any more than…で、「~でないのは…でないのと同じことだ」と訳します。
訳は、クジラの構文と全く同じですね。
thanの前後で分け、省略部分を補い、
最後に
①でない
②でないのと同じ
と訳してください。
A whale is not a fish any more than a horse is.
= A whale is no more a fish than a horse is.
(クジラが魚でないのは、馬は魚ではないのと同じことだ)
no less~than…
no less~than…で、「~なのは、…なのと同じことだ」と訳します。
例文を見てみましょう。
Mary is no less beautiful than Judy is.
(メアリが美しいのは、ジュディが美しいのと同じことだ)
基本は、no moreのときと同じですね。
まずthanの前後で文を二つに分けます。
①Mary is no less beautiful
②Judy is
次に、②の文を①の文にそろえます。省略を補うわけですね。
①Mary is no less beautiful
②Judy is beautiful
最後に、「①であるのは、②であるのと同じことだ」と訳します。
①である、
②であるのと同じ
のように、「~である」と訳をそろえることを意識してください。
文末に「同じことだ」と入れれば完成です。
お気づきの方もいる通り、
no moreでは「~でない」と訳しましたが
no lessでは「~である」と訳しています。
Mary is no less beautiful than Judy is.
(メアリが美しいのは、ジュディが美しいのと同じことだ)
Maryの美しさが、Judyの美しさに劣ってない(=no less)
→MaryもJudyも美しい
のように考えると、no lessが肯定的に訳される理由もわかりますね。
逆に、クジラの場合は
whaleは魚以上ではない(=no more)
→whaleもhorseも魚ではない
なので、no moreが否定的に訳されていたわけです。
まとめ
最後にまとめです。今回のポイントをまとめます。
- no more~than…:~でないのは、…でないのと同じことだ
- not~any more than…:~でないのは、…でないのと同じことだ
- no less~than…:~であるのは、…であるのと同じことだ
- thanの前後で二つに分ける →①A whale is no more a fish / ②a horse is
- ②の構文を①の構文とそろえる →①A whale is no more a fish / ②a horse is a fish
- 「①でないのは、②でないのと同じことだ」と訳す →クジラが魚でないのは、馬が魚出ないのと同じことだ
以上です!
これで苦手分野も一つ減りましたね。
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