今回は、
- be apt to V / be about to V / tend to V…といった表現で“to V”が使用される理由
を説明してみました。
実はかなり明確なイメージとして理解可能なのです。そして、表現をいちいち暗記する必要がなくなります。
一体どのようなものなのか? サクッと確認していきましょう。
to Vが使われる理由
to Vが使われる理由は、「Vする方向に向かっている」というイメージと結びついているためです。
たとえば下記の表現を見てください。
- be apt to V: Vしがちだ
- be about to V: Vするところだ
- tend to V: Vする傾向がある
全て、「Vする方向に向かっている」イメージがあることに気がつくと思います。
たとえば、「be apt to V: Vしがちだ」は「ついついVする方向に向かってしまう」ということです。
また、「be about to V: Vするところだ」は「Vする方向に向かっている」ですね。「tend to V: Vする傾向」も「Vする方向に向かう傾向がある」というイメージです。
よくよく考えてみると、「~へ行く/来る」も”go to~ / come to~”と表現しますね。これもやはり、「ある方向へ向かう」というイメージで使われています。
※もっと言うと、toには「到着」のイメージがあります。toのイメージは【本質から理解!】前置詞toのイメージとはで詳しく説明しています。
to Vが使われる主な表現
下記はto Vが使われる主な表現をまとめです。
基本的には「Vする方向へ向かう」というイメージで捉えられます。「これからVする」という意味を帯びやすいのがポイントです。
<基本表現>
- afford to V: Vする余裕がある
- attempt to V: Vしようと試みる
- decide to V: Vすることを決める
- demand to V: Vすることを要求する
- expect to V: Vするつもりだ
- fail to V: Vするのに失敗する、Vしそこなう
- hope(desire/want/wish) to V: Vしたい、Vすることを望む
- learn to V: Vすることを身につける
- offer to V: Vすることを提案する
- plan to V: Vすることを計画する
- prepare to V: Vする準備をする
- pretend to V: Vするふりをする
- promise to V: Vする約束をする
- refuse to V: Vするのを拒む
- seek to V: Vしようと務める
- hesitate to V: Vするのをためらう
- tend to V: Vする傾向がある
<be to Vの表現>
- be anxious to V: Vするのを切望している
- be apt to V: Vしがちだ
- be bound to V: Vしなければいけない、Vする義務がある(「bind: 縛る」)
- be eager to V: Vするのを切望している
- be free to V: 自由にVできる
- be likely to V: Vしそうである
- be unlikely to V: Vしそうにない(「un: 否定」)
- be ready to V: Vする準備が出来ている
- be reluctant to V: Vするのに気が進まない
- be supposed to V: Vすることになっている、Vしなければいけない
- be willing to V: Vするのをいとわない(「will: 意志」)
<be to V構文>
- 予定(~する予定でいる)
- 義務(~すべきだ)
- 意図(~するつもりだ):ifとセットで使用
- 可能(~できる):not+受身形で使用されやすい
- 運命(~するよう運命づけられている)
※全て「Vする方向に向かっている」というイメージです。訳は文脈で概ね決まりますが、もう少し詳しい説明は【イメージ・ゴロ合わせ】be to構文の意味・用法まとめにあります。
<O to Vの表現>
- advise O to do: OにVするよう忠告する
- allow O to V: OがVするのを許す
- permit O to V: OがVするのを許す
- ask O to V: OにVするよう頼む
- beg O to V: OにVするよう頼む(askより固く、requestよりくだけた表現)
- request O to V: OにVするよう頼む
- require O to V: OにVするよう要求する
- command O to V: OにVするよう命令する
- order O to V: OにVするよう命令する
- compel O to V: OにVするよう強制する(むりやりVさせる)
- force O to V: Oに無理にVさせる
- oblige O to V: Oに無理にVさせる(義務)
- desire O to V: OにVするよう望む
- expect O to V: OにVするよう期待する
- want O to V: OにVしてもらいたい
- would like O to V: OにVしてもらいたい
- wish O to V: OにVしてもらいたい
- encourage O to V: OにVするよう促す
- induce O to V: OにVするよう勧める
- invite O to V: OにVするよう勧める
- recommend O to V: OにVするよう勧める
- tempt O to V: OがVするよう誘う (誘惑する)
- lead O to V: OにVさせる
- persuade O to V: OがVするよう説得する
- urge O to V: OがVするよう説得する
- enable O to V: OがVするのを可能にさせる
- help O to V: OがVするのを手助けする (現代ではtoを省略し、”help O V”とすることも多い)
※「OをVする方向に~する」というイメージで理解できます。詳しくは【カンタン理解!】SVO to V型の動詞をお読みください。
<to V/ Vingで意味が異なる表現>
- forget to V: (これから)Vするのを忘れる
- go on to V: (これから)さらに続けてVする
- need to V: (これから)Vする必要がある
- mean to V: (これから)Vするつもりだ
- regret to V: (これから)残念ながらVする
- remember to V: (これから)Vするのを覚えておく
- stop to V: (これから)Vするために立ち止まる
- try to V: (これから)Vしようとする
※Vingとの意味の違いは【不定詞と動名詞】forget to V / forget Vingの意味の違いとはにまとめてあります。
細かい単語に意識を向けると、意味の違いも丸わかりです。
たとえば下記の表現などはその代表です。
- encourage O to V: OがVするよう勧める
- discourage O from Ving: OがVするのをやめさせる
下記のように分解すると、意味の違いも理解しやすいのではないかと思います。encourageはVに近づける、discourageはVから遠ざけるイメージの部品で出来ているのですね。
- 「en: 中に」、「courage: 勇気」、「to V: Vする方向へ」
- 「dis: 否定」、「courage: 勇気」、「from Ving: Vから遠ざける」
※「from: ~から」のイメージです。これも【本質から理解!】前置詞fromのイメージとはにわかりやすくまとめてあります。
このように、表現の細かい部分に注意を払うと、英語学習が一気に楽しくなると思います。
なお、前置詞等についてもっと知りたいという方は、
が大まかなイメージを理解するのに役に立つと思います。
特に、一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)は前置詞以外の英文法の事項も新鮮な観点(かつイメージに残りやすい本質的な記述)で説明してくれているので、お持ちでない方は手元に一冊置いておくと英語学習がとても楽しくなると思います。
また、前置詞の観点から英語の熟語をひたすらまとめた解体英熟語 改訂第2版もおすすめです。Z会からの出版で、一応大学受験用ということになってはいますが、大人にとっても普通に役立ちます。というか、役立ちすぎるくらい情報量が豊富&わかりやすいです。
巻末に各前置詞をおおざっぱにまとめた簡単な説明が載っていますが、それがとてもわかりやすく、正直その説明のためだけでもこれを一冊買う価値があります。
前置詞は奥が深いので、ぜひぜひ上記の書籍に目を通してみてくださいね。見える世界がガラッと変わると思います。
コメント