今回はa/theで大きく意味が変わる表現を取り上げてみます。
- at a distance / in the distance
- for a/the moment
上記は、aが使われるのか、theが使われるのかで、全く意味が異なる表現です。さらに、前置詞の違いも見逃せないところです。
一体どのような違いが生まれるのか? なぜそのような意味の違いが生まれるのか?
死ぬほどわかりやすく徹底解説してみました!
「at a distance/in the distance」「for a moment/for the moment」意味の違い
「at a distance/in the distance」「for a moment/for the moment」意味の違いは下記の通りです。
- at a distance: ちょっと離れたところで
- in the distance: 遠いところで
- for a moment: ちょっとの間
- for the moment: 当面の間
ポイントは、
- a ⇒「ちょっと」
- the ⇒「指差せる距離/時間」
になっている点です。
どうしてこういう意味になるの?
以下で考えてみましょう。
【ポイントは冠詞/前置詞】意味の違いの理由
まずはaからいきましょう。
aは「一つ」という意味で訳されることからもわかる通り、元々の語源はoneです。one⇒an⇒aと変化して、aになったのですね。
※ここら辺の経緯は下記の記事で詳しく説明しています。
【英語の歴史】”an apple”となるのは、発音しやすいからではない?
「一つ」はとても少ない数ですよね。当たり前ですが、「二つ」や「三つ」に比べても少ない数、最も少ない数です。
※「小数点以下の数字やマイナスはどうなんだ!」という野暮なツッコミはしないように
このことから、aは「一つ」⇒「ちょっと」という意味を持つようになったのですね。
そのため、
- at a distance: ちょっと離れたところで
- for a moment: ちょっとの間
という意味になっているのです。(ちなみに、distanceの場合は距離が小さいので、点を指すイメージの前置詞atが使われていますね)
一方、theは「その」という意味からもわかる通り、みんなが指させるものに使われる単語です。
※theの詳しいイメージは下記の記事を読めばかなり詳しく&わかりやすく理解できます。
「距離があるなあ」とみんなが指させる距離について話をするとき、日本語でも「距離が離れている」という意味で使われていますよね。
また、時間に関して指差せるものと言えば、「目の前に流れている時間」ですよね。
以上のことから、
- in the distance: 遠いところで
- for the moment: 当面の間
という意味になっているのです。(ちなみに、distanceの場合は距離が大きいので、atではなく、空間を包み込むイメージの前置詞inが使われていますね)
おわりに
いかがでしたか? こんな風に、単語ごとに分解していくと意味がスッと頭に入ってきますね!
冠詞についてさらに詳しく学びたい方には、aとtheの底力 — 冠詞で見えるネイティブスピーカーの世界がおススメです。
わたしが今まで読んだ冠詞系の本の中で、一番わかりやすい&本質に迫った説明がなされていると感じました。一般の書店にはあまりないのですが、ぜひ一度お読みすることをおススメします。
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