こんにちは、講師のNです。
今回は意外な意味を持つ他動詞を一覧にまとめてみました。
たとえば、lastには「~持ちこたえさせる」という他動詞の意味があるんですね。

「最後の」っていう意味だけだと思ってた…
見落としがちなので、試験でも狙われるポイントです。
ただ、単語が持つ本質的な意味を考えていけば、スムーズに理解できるはずです。
<参考記事>えっ!意外な意味を持つ自動詞9選
全体像
まずは全体像を見てみましょう。
今回紹介する他動詞は全部で11個。
ここを押さえておけば、試験で困ることはほとんどなくなるでしょう。
- consult:(医者などに)かかる、(専門家に)意見を聞く
- fail:~の役に立たない
- fire:~を解雇する
- last:~を持ちこたえさせる
- meet:(要求などに)応じる
- miss:~がいないのを寂しく思う
- put:~を表現する
- run:~を経営する
- see:(時代が)~を目撃・経験する、(医者などに)診てもらう
- stand:~を我慢する
- treat:~に(食事などを)ごちそうする、おごる

イマイチぴんとこない…
そうですね。この手のモノは例文を見るのが一番!
一覧表を眺めるだけじゃ100%覚えられません。
というわけで、例文付きで一つずつ見ていきましょう。
consult
他動詞consultには、「(医者などに)かかる」、「(専門家に)意見を聞く」
という意味があります。
この単語、カタカナ読みをすると「コンサルト」です。
日本語でも、「コンサルタント」「コンサル」
といった表現を聞いたことがありませんか?
「コンサルに相談しよう」なんて会話は
ビジネスの現場ではそこそこ飛び交っているものと思います。
(業界にもよると思いますが…)
日本語で「コンサルに相談しよう」と言うときは、
「専門的な知識や技術を持っている人・会社へ相談しよう」
という意味合いを持ちます。
英語のconsultも同じですね。
(医者などに)かかる
(専門家に)意見を聞く
どちらも要するに専門的な人に相談するってコトです。
「風邪を引いたので医者にかかろう…」って、
「風邪への対処法を専門家に相談しよう」ってコトですから。
というわけで例文です。これは医者に相談するパターン。
He consulted a doctor.
(彼は医者に診てもらった
≒彼は医者に相談した)
こちらは専門家(expert)に相談するパターンです。
He consulted an expert on the matter.
(彼はその問題について、専門家に相談した)
のちほど触れますが、seeにも「(医者などに)診てもらう」という意味があります。
fail
他動詞failには「~に落ちる」、「~の役に立たない」
という意味があります。
自動詞だと「失敗する」なんですが、
他動詞だと「~に落ちる、落第させる」「~の役に立たない」という意味になるんですね。
「~に落ちる、落第させる」という意味の方は自動詞のときとあまり変わりませんが、
「~の役に立たない」は少し注意が必要ですね。
コチラは他動詞「~に落ちる、落第させる」の例文です。
The student failed the exam.
(その生徒はその試験に落ちた)
The professor failed the student.
(その教授はその生徒を落第させた)
これは他動詞「~の役に立たない」の例文です。直訳した方が理解しやすいと思います。
My tongue failed me.
(わたしは言葉が出なかった
≒わたしの舌はわたしの役に立たない)
最後に自動詞「失敗する」の例文です。自動詞なので、後ろに前置詞を付けています。
He failed to pass the exam.
(彼はその試験を通過するのに失敗した)
fire
他動詞fireには「~を解雇する」
という意味があります。
名詞だと「火」という意味がありますね。
他動詞の「~を解雇する」という意味は、直感的にも理解しやすいですね。
(また、他動詞には「(銃など)を発砲する」という意味合いもあります)
例文はコチラ。他動詞の「~を解雇する」です。
The president fired him from the job.
(社長は彼をクビにした
≒社長は彼をその職から解雇した)
他動詞の「(銃など)を発砲する」の例文も一応載せておきます。
He fired the rifle at the enemy.
(彼は敵に向かいライフルを発砲した)
蛇足ですが、バック・トゥ・ザ・フーチャー2の冒頭で、
日本のメーカーの人が米国人に向かって、
“You’re fired.(お前はクビだ)”と宣告するシーンがあります。
日本経済が超強かったころの話で(なんだかんだ今もそこそこ強いですが)、時代を感じますね。
last
他動詞lastには「~を持ちこたえさせる」
という意味があります。
そもそも自動詞lastにも「続く」という似たような意味があるので、
セットで覚えた方が良いかもしれません。
lastは形容詞の「最後の」というイメージが強いと思いますが、
動詞だと「継続する」という意味合いで使われるんですね。
というわけで他動詞「~を持ちこたえさせる」の例文です。直訳から理解しましょう。
The food will last us for a week.
(その食糧で1週間持つだろう
≒ その食糧は我々を1週間持ちこたえさせるだろう)
おまけで自動詞「続く」の例文も。他動詞より、自動詞lastの方がよく使われる印象があります。
The meeting lastedfor an hour.
(その会議は一時間続いた)
meet
他動詞meetには「(要求などに)応じる」
という意味があります。
他動詞meetには「~に会う」という有名な意味がありますが、
イメージはこれに似てますね。
Aさんと、Bさんが会う
Aという要求に、Bという対応で応じる
どちらも、顔と顔、要求と対応とが出会っているイメージですね。
というわけで、他動詞「(要求などに)応じる」の例文です。わたしの場合、ビジネス英会話なんかでよく使っていました。
The proposal meets all our requirements.
(その提案は、我々の全ての要求事項を満たしている
≒ その提案は、我々の全ての要求事項に応じている)
miss
他動詞missには「~がいないのを寂しく思う」
という意味があります。
ひょっとすると、日本語にもなじんでいる表現かもしれません。
「ミスユー、ベイビー(君がいなくて寂しいよ)」とか、
なんとなく聞いたことありません?
ちなみに、「ああミスった!」という表現にも見られるような、
他動詞「~し損なう」という意味もあります。
それでは例文です。まずは他動詞「~がいないのを寂しく思う」
I miss you badly.
(君がいなくて本当に寂しいよ
≒ わたしは君がいないことを本当に寂しく思う)
他動詞「~し損なう」も一応紹介しておきます。
He missed the ball.
(彼はそのボールを捕り損ねた)
He missed the train.
(彼はその電車に乗り遅れた)
put
他動詞putには「~を表現する」
という意味があります。
put O in/into~という形で使われることが多く、
「Oを~で表現する」という意味になります。
「Oを~に置く」
↓
「Oを~で表現する」という発想で理解できそうです。
例文で見てみましょう。put O in/into~の形で使われています。
I cannot put my feelings into words.
(わたしは、わたしの感情を言葉で表現できない)
ついでに、「端的に言うと」という意味の熟語 to put it simply も押さえておきましょう。
To put it simply, I was wrong.
(端的に言うと、わたしが間違っていた
≒ それを端的に表現すると、わたしが間違っていた)
run
他動詞runには「~を経営する」
という意味があります。
「走る」というのはおなじみの意味ですが、
ここから派生して「経営する」の意味も持つのですね。
「~を走らせる」
↓
「~を回す、経営する」というイメージで理解することが出来そうです。
会社をあくせくやっていくイメージですね。
それでは例文です。他動詞で「~を経営する」
He runs ABC company.
(彼はABC社を経営している)
なお、runには自動詞で「立候補する」という意味もあります。
<参考記事>えっ!意外な意味を持つ自動詞9選
see
他動詞seeには「(時代が)~を目撃・経験する」、「(医者などに)診てもらう」
という意味があります。
どちらも、「見る」というseeの意味で理解できそうです。
ある時代がある出来事を「見る」=「目撃する」、
人が医者を「見る(会う)」=「診てもらう」
ということですね。
まずは他動詞「(時代が)~を目撃・経験する」の例文です。
His generation has seen the Second World War.
(彼の世代は、第二次世界大戦を経験している)
また、他動詞「(医者などに)診てもらう」の例文はコチラ。
I saw a doctor.
(わたしは医者に診てもらった)
stand
他動詞standには「~を我慢する」
という意味があります。
standには「立つ」というおなじみの意味がありますね。
「立って」
↓
「我慢する」というイメージで理解できますね。
それでは例文です。他動詞で「~を我慢する」
I cannot stand the rude attitude.
(わたしは、その無礼な振る舞いに我慢できない)
stand -ingで「~することに我慢する」、stand O -ingで「Oが~することに我慢する」、という用法もあります。
I cannot stand waiting for two hours.
(わたしは、二時間待つのに我慢できない)
I cannot stand him speaking loudly.
(わたしは、彼が大声で話すのに我慢できない)
treat
他動詞treatには「~に(食事などを)ごちそうする、おごる」
という意味があります。
treatはカタカナ読みをすると「トリート」ですね。
「トリートメント」という日本語からもわかるように、
「扱う」とか「治療する」といった意味を持ちます。
何か/誰かに対して行動をとるイメージです。
そこから、「~に(食事などを)ごちそうする、おごる」という意味が出てきます。
コチラが例文です。他動詞「~に(食事などを)ごちそうする、おごる」です。
He treated me to a drink.
(彼はわたしに夕食をごちそうしてくれた)
まとめ
いかがでしたか?
最初は「なぜこの意味??」と疑問に思うかもしれませんが、単語の意味をきちんと考えれば、丸暗記をせずにすみそうです。
本質的な理解につながるので、ぜひ単語の意味を捉えるクセをつけてくださいね!
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