今回はwork at, in, forや、その他前置詞(work under, as, with, on, towardsなど)の意味・用法の違いをまとめてみました。
全て「働く」という表現ですが、後ろに「場所」「人」「業界」…何が後ろにくるのか、制約があるのですね。
また、「在宅勤務/テレワーク」はwork from homeとwork at homeのどちらが良いのか、についても触れています。
前置詞に注目し、これらの違いをイメージで捉えていきましょう!
work at, in, for, from, at home…の意味/使い方の違い
work+前置詞の意味/使い方の違いは下記の通りです。
・work at 会社(名)/建物/特定業務: ~で働いている
⇒atは狭い一点を指すイメージ
⇒at workは「仕事中」
・work in 会社(名)/建物の中/都市/事業部/業界: ~で働いている
⇒inは広がりのある空間に包み込まれるイメージ
⇒in workは「仕事に就いていて」、out of workは「失業中で」
・work for 会社(名)/上司や社長などの人/目的: ~で働いている/~に仕えている/~のために働く
⇒forは方向性を示すイメージ
<その他>
・work on 特定の作業/特定の人: ~に従事する/に働きかける
・work with 具体的なモノ/人、会社: ~を使って働く/~と一緒に働く
・work under 人/条件: ~の下で働く
・work as 特定職種: ~として働いている
・work toward(s) 目標: ~に向けて頑張る
<work at/from homeの違い>
・work at home: 持ち帰りの仕事/職場が家のような場合
・work from home: 通常会社でする業務を家出する場合
⇒「在宅勤務」「テレワーク」に近いのはwork from home
⇒略語でWFHとも表現する
これだけ眺めていてもわからないですね。
前置詞のイメージに注目しつつ、例文をチェックしていきましょう。
work at/in/for
まずはwork at/in/forの違いからです。これらは代替可能なことも多く、似ているので紛らわしいです。
前置詞のイメージを大切にしてみてください。
work at
work atからです。
atには「特定の一点」を指でさすイメージがあります。地図上の一点であったり、ある特定の仕事であったり、狭い範囲を指すのが特徴です。
※atのさらに詳しいイメージは下記の記事よりどうぞ
狭い一点を指すということで、atの後ろには「会社(名)/建物/特定業務」が来ます。
例はコチラです。カッコ内にinやonがある場合、そちらの前置詞で代替可能であることを示します。
work at(in/for) Sony (ソニーで働く)
work at(in/for) a law firm(法律事務所で働く)
work at(in) the same building(同じ建物で働く)
work at(in) a downtown department(繁華街のデパートで働く)
He is working at(on) a new novel.
(彼は新しい小説に従事している = 執筆している)
※in/at/onは「状態」の意味になる定型表現がいくつか存在します。これも前置詞の意味に注目すると覚えやすいです。まとめ記事は下記にあります
work in
work inです。
inには「幅広い空間」に包み込まれるイメージがあります。空間的、心理的にある程度広がりを持つ点がatと異なります(= atは狭い範囲を指す)
※inのさらに詳しいイメージは下記の記事よりどうぞ
広がりを持つ範囲を表すということで、inの後ろには「会社(名)/建物の中/都市/事業部/業界」がきます。会社(名)や建物がくる点はatと同じですね。
work in(at/for) a law firm(法律事務所で働く)
work in(at/for) Sony(ソニーで働く)
work in(at) the same building (同じ建物の中で働いている)
work in Tokyo (東京で働いている)
work in the sales department (営業部で働いている)
work in insurance (保険業で働いている)
work in the banking industry (保険業界で働いている)
※再度宣伝。in/at/onは「状態」の意味になる定型表現がいくつか存在します。これも前置詞の意味に注目すると覚えやすいです。まとめ記事は下記にあります
一方、out of workは「失業中で」という意味になります。「仕事の外にいる」からですね。
work for
work forです。
forには「ある方向へ向かう」イメージがあります。
電車の車内アナウンスで“This train is bound for Tokyo. (この電車は東京行きです)”という表現がよく流れていますが、これは「電車が東京へ向かっている」という意味でforが使われているのですね。
※forのさらに詳しいイメージは下記の記事よりどうぞ
気持ちの方向性を表すということで、forの後ろには「会社(名)/上司や社長などの人/目的」がきます。会社や上司、目的の「ために」働くイメージです。会社(名)がくる点はat/inと同じですね。
work for(in/at) Sony(ソニーで働く)
work for(in/at) a law firm(法律事務所で働く)
work for Mr. Johnson(ジョンソンの下で働く =ジョンソンのために働く)
Who do you work for? (どこで働いている =会社名を聞く提携表現)
work for world peace/ an exam(世界平和のために働く/試験のために頑張る)
なお、「会社で働く」という表現はwork forが最も一般的で、その次がwork atです。work inもなくはないですが、あまり一般的な表現ではないです。
その他
その他の表現です。
work on
work onは「特定の作業/特定の人」が後ろに来て、「~に従事する/働きかける」という意味になります。
onは「接触」を意味します。ある作業や人にべたっと接触して、働きかけるイメージです。
※前置詞onのさらに詳しいイメージは下記の記事にあります。
例文はコチラです。
He is working on(at) a new novel.
(彼は新しい小説を書いている)
He is working on her to accept our offer.
(彼は我々の申し出を受け入れるよう、彼女に働きかけている)
work with
work withは後ろに「具体的なモノ/人、会社」が来て、「~を使って働く/人、会社と一緒に働く」という意味になります。
withには「一緒に」という意味があるので、道具や人、会社と一緒に働くイメージですね。
例文はコチラです。
work with a computer(コンピューターを使って働く)
work with Nancy(ナンシーと一緒に働く)
work with ABC company to develop a new drug(新薬開発のため、ABC社と一緒に働く)
work under
work underは後ろに「人/条件」が来て、「~の下で働く」という意味になります。
underには「下で」という意味があるので、まさにその人や条件の下で働くイメージです。
例文はコチラです。
work under a contract(契約に基づき働く)
work under Nancy(ナンシーの下で働く)
work as
work asは後ろに「特定の職種」が来て、「~として働く」という意味になります。
asには「~として」という意味があるので、このような訳語になります。
※asにはかなり多くの意味がありますが、語源を押さえればかなり暗記が楽になります。
【決定版!】語源から考えるasの意味まとめ【接続詞/前置詞/副詞/関係代名詞】
例文はコチラです。
work pat-time as a waitress
(アルバイトでウェイトレスとして働いている)
work toward(s)
work toward(sは)後ろに「目標」が来て、「~のために働く、頑張る」という意味になります。
towardには「~へ向けて」という意味があるので、このような訳語になります。
※toward/towardsどちらも同じ意味になります。
例文はコチラです。
work towards a common goal
(共通の目標に向けて頑張る)
work towards improvements
(改善に向けて取り組む)
work at home/work from homeの違い
最後にwork at home/work from homeの違いについて触れておきます。
どちらも「家で働く」という意味になりますが、裏側に含むニュアンスはやや異なります。
ネイティブの意見を聞いたところ、次のような相違があるようです。
- work at home:仕事を家に持ち帰ってやる/職場が家
- work from home:通常時間内に、オフィスの代わりに家で勤務(=在宅勤務)
まずはwork from homeの方から考えてみましょう。
一般的な「在宅勤務」「テレワーク」はwork from homeが一番しっくりきます。
通常の勤務時間内に、「家から (=from home)」働きに出ているイメージです。そのため、「在宅勤務」という意味になるのです。
一方のwork at homeは「家で (=at home)」働くことに力点のある表現です。
そのため、
- 「自宅が職場になっている (=自営業などで、自宅で働いている場合)」
- 「本来会社でやるべき仕事を家に持ち帰って、家でやる」
という含みを持つのですね。
まとめ
いかがでしたか? 以下、改めてまとめです。細かい違いですが、日常英会話でも頻出の表現なので、これを機にマスターしてしまいましょう。前置詞がカギですよ!
なお、前置詞についてもっと知りたいという方は、
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