こんにちは、今回解説するのは関係形容詞whatとwhichです。

関係形容詞?
関係代名詞と何が違うの?
そんな方でも大丈夫! 徹底的に噛みくだいてご説明します!
関係形容詞はwhatとwhichのみ!
関係形容詞の種類はwhatとwhichのみです。
そして、ちょっと乱暴な言い方をすると、関係代名詞と関係形容詞の機能はほぼ同じです。

関係代名詞≒関係形容詞ってコト?
ひとまず、ざっくりした理解はそれでOKです。関係形容詞の訳し方、関係代名詞との細かい違いは以下で説明します。
関係形容詞whatとは?
まずは関係形容詞whatから説明します。
what+名詞+SVで「SVする全ての名詞」と訳します。whatを「全ての」と訳すところがポイントです。
関係形容詞whatと関係代名詞whatの違い
関係形容詞whatと関係代名詞whatの違いを見てみましょう。
下にあるのは関係形容詞whatを使った例文です。
He gave her what money he had.
(彼は彼女に、彼が持つ全てのお金をあげた)
<what money he had>で大きなカタマリだと考えてください。このカタマリは名詞です。関係形容詞whatは、全体で大きな名詞のカタマリを作るのです。
「gave 人 モノ」で「人にモノをあげた」という訳になりますが、<what money he had>は名詞のカタマリなので、「モノ」の部分に該当します。
gave her (人) <what money he had (モノ)>
という構造ですね。
さらに詳しく、<what money he had>の中身を見ていきましょう。関係代名詞や関係形容詞は頭の方にくる、というルールのせいでwhatが頭に来ていますが、実はコレ、元はこんな語順を前提にしているんです。
he had what money. (彼は、全てのお金を持っていた)
what moneyで「全てのお金」です。「全ての→お金」というように、whatが名詞moneyを修飾しているのです。
名詞を修飾しているというコトは、whatの品詞は?
…そう、形容詞ですね。名詞を修飾しているから、whatの品詞は形容詞です。

だから関係形容詞と呼ぶんだね!
関係形容詞whatは<what money he had>という名詞のカタマリを導きますが、
<what money he had>のカタマリ内では形容詞として働いているんですね。
だから関係形容詞と呼ぶのです。
ここで、今度は関係代名詞の例文を見てください。
He gave her what he had.
(彼は彼女に、彼が持っていたものをあげた)
関係代名詞whatは「SVするモノ/コト」と訳します。前提となっている文は次の通り。
he had what. (彼が持っているもの)
関係代名詞whatが<what he had>という名詞のカタマリを作る点は、関係形容詞と同じです。
一方、<what he had>というカタマリの中で、関係代名詞whatは何も修飾していないんですね。「モノ」と訳して終わりです。カタマリの中で名詞として機能しているから、こちらの方は関係代名詞という名称になっているわけです。
関係代名詞whatは<what he had>という名詞のカタマリを導き、
<what he had>のカタマリ内でも名詞として働いているんです。

カタマリ内での役割の違いが、
関係「形容詞」、関係代「名詞」
という名称の違いになっているんだね!
- <what~>で名詞のカタマリを作る点は同じ
- カタマリ内で、関係形容詞は形容詞、関係代名詞は名詞として機能
関係形容詞whatのパターン(what little, what few)
関係形容詞whatでは「全ての」と訳しました。
ここでwhatの後ろにlittleやfewが付くと、「なけなしの(=少ない全ての)」という訳になります。不可算名詞が使用されていればlittle、可算名詞が使用されていればfewを使用します。ただ、訳自体はほとんど変わりません。
例文を見ていきましょう。
moneyが不可算名詞のため、littleが使われているパターンです。
He gave her what little money he had.
(彼は彼女に、なけなしのお金をあげた)
booksが可算名詞のため、fewが使われているパターンです。
He gave her what few books he had.
(彼は彼女に、なけなしの本をあげた
= 直訳:彼は彼女に、彼が持っていたわずかだが全ての本をあげた)
関係形容詞whichとは?
次は関係形容詞whichです。非制限用法として使用されるパターンのみ(カンマ付きのパターンのみ)なので要注意です。
<参考記事>非制限用法とは?
関係形容詞whichと関係代名詞whichの違い
関係形容詞whichと関係代名詞whichの違いをみてみましょう。基本的には、whatのときと同じです。
まずは関係形容詞whichの例文です。
The book was written in Germany, which language I didn’t know.
(その本はドイツ語で書かれていたが、わたしはこの言語を知らなかった)
後半部分の文は、下記の構造を前提にしています。
I didn’t know which language (=this name). (わたしはこの言語を知らなかった)
後半部分のカタマリ<which language I didn’t know>が先行詞Germanyを修飾していますが、カタマリ内では、whichが「この→言語」と形容詞的に働いていますね。そのため関係形容詞と呼ぶのです。
一方、関係代名詞の例文です。
I have three sons, who live in Tokyo.
(わたしには3人の息子がいるが、彼らは東京に住んでいる)
後半部分の文は次の構造を前提にしています。
who (=three sons) live in Tokyo. (3人の息子は東京に住んでいる)
後半部分のカタマリ<who live in Tokyo>が先行詞three sonsを修飾しています。また、カタマリ内で、whichは名詞的に働いています。そのため関係代名詞と呼ぶのです。
, 前置詞+whichのパターン
, which~のパターンだけではなく、
, 前置詞+which~のパターンもあります。
例文で確認してみましょう。
He may visit Kyoto, in which case he will meet her.
(彼は京都を訪れるかもしれないが、その場合彼は彼女に会うだろう)
, 前置詞 which~のカタマリが先行詞を修飾する点、
カタマリ内でwhichが形容詞的(in which case = in this case)と働いている点は同じですね。
まとめ
いかがでしたか? 最後に関係形容詞の用法をまとめ、今回の記事を締めたいと思います。
<関係形容詞what>
- what+名詞+SVで「SVする全ての名詞」という訳が基本
- whatの直後にlittle (不可算名詞のとき)、few (可算名詞のとき) を置き、「なけなしの」という意味になることがある
- what~のカタマリ内で、whatは形容詞的に働く
<関係形容詞which>
- which~のカタマリが先行詞を修飾するように訳す
- 非制限用法での用法のみ。”, which~”と”, 前置詞+which~”のパターンに限られる
- which~のカタマリ内で、whichは形容詞的に働く
以上です。今回も最後までお読みくださりありがとうございました。
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それでは!
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