今回は接続詞asについてまとめたいと思います。
asって意味が多くて覚えるのが大変…
そうなんです。asは品詞だけでも接続詞、前置詞、副詞、代名詞(関係代名詞)の四種類あります。ただ、どれもコアとなるイメージは同じです。イメージを押さえたうえで、一つ一つ意味を確認していけばよいのです。
そのうち、本記事では接続詞asにスポットライトを当てていきたいと思います。
※他の品詞もまとめたasの記事は下記にあります。5分程度で読めるので、よろしければあわせてどうぞ!
コアイメージは…? 接続詞asの意味/使い方まとめ
いきなりですが、asのコアイメージは「=(イコール)」です。asの語源は「also: ~もまた」なのです。alsoのaとsだけが残った形、それがasと考えられているのです。
つまり、ざっくり言うと、「A as B」という文があったら「A=B」なのです。
意味や品詞は非常に多岐に渡り、なかなか捉えづらいところもあるのですが、asの基本的なイメージは「=(イコール)」と覚えておいてください。(厳密には、イコールが「A⇒B」や「A⇔B」となることもありますが、イコールの理解でひとまず差し支えないと思います)
asのコアイメージを捉えたところで、接続詞の用法をまとめてみましょう。接続詞の主な用法は5+3種類です。
7. ~と同じくらい(as A as Bの形で)
8. ~するということ、~するかどうか(≒ that, whether)
基本用法の方は、それぞれの頭文字をとり、「二乗利用費(じじょうりようひ = 時譲理様比)」と無理やり覚えるのも悪くないです。
例文付きで、具体的なイメージをつかんでいきましょう!
接続詞as:5種類の意味・用法
さて、先ほど載せた一覧表を上から順にみていきましょう。
時:~するとき(≒while, when)
接続詞asには、「~するとき(時)」という意味があります。
まさにasのコアイメージ・イコールの通りですね。「片方でAが起きているとき、もう片方でBが起きている」、つまり、AとBが同時に起きているというイメージです。
同様の表現にwhile「~する間」、when「~するとき」がありますが、イメージ的にはwhileの方が近いです。「物事が同時に起きている感」は、while>whenなんですね。
<参考記事>whileの意味・用法まとめ
それを踏まえ、次の例文を見てください。
As I entered the house, it began to rain.
≒While I was entering the house, it began to rain.
(わたしがその家へ入ったとき、雨が降り始めた)
「わたしが家に入った(=A)」と「雨が降り始めた(=B)」が同時に起きていますね。asのコアイメージ通り、A=Bで物事が起きています。
譲歩:~ではあるけれど(≒though)
接続詞asには、「~ではあるけれど(譲歩)」という意味があります。thoughとほぼ同じ意味です。
譲歩の意味では〇〇+as SVという語順になります。〇〇の部分には無冠詞の名詞(aやtheなどが付かない名詞)、形容詞、副詞が入ります。
〇〇+as SVという語順であれば、まずは譲歩の意味を疑ってみてください。それでうまくいかなければ、他の意味の可能性を疑うのが良いです(この語順でも譲歩の意味にならないことはあるので)。
Good as he is, I don’t like him.
≒ Good though he is, I don’t like him. (この語順はthoughのみ可。althoughではほぼナシ)
≒ Though he is good, I don’t like him.
(彼は優秀ではあるけれど、わたしは彼が好きではない)
これもasが持つイコールのイメージで理解できますね。「彼は優秀ではある(=A)」と「わたしは彼が好きではない(=B)」という状態が同時に起きているわけです。
ただ、このAとBは同時に起きているのでイコールでつなげるのだけれど、内容自体はまるで正反対のことを言っているのです。「=」という記号に矢印が付き、「⇔」なったイメージです。
そのため、「Aではあるが、B」という譲歩の意味合いが出るわけです。
理由:~なので(≒since, because)
次は接続詞as「~なので(理由)」の意味です。sinceやbecauseとほぼ同じ意味ですが、asやsinceは相手がわかりきっている理由について述べるときに使われやすく、becauseは相手が知らない理由について述べるときに使われやすいです。
* asとsinceは旧情報となっている理由を導くので文頭、becauseは新情報となっている情報を導くので文末で使われることが多い
例文で見てみましょう。
As I was tired, I did not participate in the party.
≒ Since I was tired, I did not participate in the party.
(わたしは疲れていたので、そのパーティーには参加しなかった)
これもasが持つイコールのイメージで考えます。「わたしは疲れていた(=A)」と「パーティーへ出なかった(=B)」という状態が同時に起きていたわけです。
このAとBはほぼ同時に起きているので「=」でつなげるのだけれど、「A⇒B」という関係になっているわけですね。Aが原因で、Bという出来事がほぼ同時に発生したというわけです。小難しい言葉を使うと、AとBの間に因果関係が成り立っています。
そのため、「Aなので、B」という理由の意味合いが出るわけです。
なお、譲歩と同じ語順「〇〇 as SV」で「SVなので」という理由の意味になることもあるので、要注意です。最終的には文脈で判断です。
Good as he is, I like him.
(彼は優秀なので、わたしは彼が好きだ)
様態:~のように(≒like, the way)
サクサクいきましょう。接続詞asには「~のように(様態)」の意味もあります。同様の表現にlike, the wayがありますね。
He appeared at noon as he promised.
≒ He appeared at noon like he promised.
(約束通り、彼は正午に現れた = 彼が約束したように、彼は正午に現れた)
これもasが持つイコールのイメージで処理できます。「彼が約束していたコト(=A)」は「彼が正午に現れるコト(=B)」なんですね。まさに「A=B」の関係です。
それを文脈に合わせて解釈すると、「Aのように、Bした」という様態の意味合いが出るわけです。
もう一つ、様態の例文でシンプルなものがあるので紹介しておきます。この例文をそのまま丸暗記しても良いかもしれません。
Do as you like.
(好きなようにやりな = 君が好きなように、振舞いなさい*)
*doには自動詞で「振舞う」の意味がある
比例:~するにつれて(≒the比較級, the比較級)
これでラストです。接続詞asには「~するにつれて(比例)」の意味もあります。同様の表現にthe比較級, the比較級があります。
As it got darker, it became colder.
≒ The darker it got, the colder it became.
(暗くなるにつれて、より一層寒くなった)
これもasが持つイコールのイメージで解釈しましょう。「どんどん暗くなると(=A)」は「どんどん寒くなった(=B)」という関係が成り立っているんですね。二つの出来事がイコールで同時に起きているのです。
Aが進むと、Bも進む。Bが進むと、Aも進む。このような二人三脚的な関係を、比例の表現と呼びます。
せっかくなので、もう一つくらい例文を載せておきます。
As the sun rose, the fog dispersed gradually.
(太陽が昇るにつれ、徐々に霧は晴れていった )
接続詞as:+α 3種類の意味・用法
接続詞asの主要5種類を押さえたところで、残りの+α部分も見ていきましょう。こちらは軽めに見ていきます。
7. ~と同じくらい(as A as Bの形で)
8. ~するということ、~するかどうか(≒ that, whether)
~する限り(≒as far as)
接続詞asには、「~する限り」という意味もあります。
As I see it, lack of manpower is the main problem.
(わたしが見る限り、労働力の不足が主要な問題です)
「わたしが見ていること(=A)」、「労働力不足が問題であること(=B)」の間に、A=Bという関係が成り立っていますね。asが持つイコールの意味から外れていません。
なお、as far asのほかにas long asという定型表現があり紛らわしいです。下記の記事でその見分け方を説明しているので、ぜひお読みくださいね。5分程度でサクッ読めます。
【なぜ?】as long as/as far asの意味・用法の違い【条件/時間/範囲】
~と同じくらい(≒A as~ as B)
接続詞asには、「~と同じくらい」という意味もあります。まさに接続詞asのコアイメージ通りの意味ですね。
で、実はコレ、みなさんもよく知っている表現のハズです。例文を見てみましょう。
His house is as large as yours.
(彼の家は、あなたの家と同じくらいの大きさです)
比較級でよく見る表現ですね。実は、二つ目のasは「~と同じくらい」という意味の接続詞なのです。(ちなみに一つ目のasは「同じくらい」という意味の副詞です)
二つ目のasというのは、
- His house is large. (彼の家は大きい)
- as yours is large. (あなたのものは大きい)
という二つの文をつなぐ役割を果たしているのですね。
二つ目の文の後半部分の”is large”は、一つ目の文とかぶっているので、省略されています。
ある意味ポピュラーな用法ではありますが、この「~と同じくらい」という意味のasは、接続詞の分野で学ぶより、比較表現の分野で学んだ方が理解が進むと思います。そのため、今回は+αの方へ入れ、大きくは取り上げませんでした。
なお、一つ目のasは副詞です。これについては下記の記事で詳しく取り上げているので、興味があれば目を通してみて句だしね。
参考記事: 比較のas~as!一つ目と二つ目のasで意味が違うって知ってた?
~するということ、~するかどうか(≒ that, whether)
接続詞asには「~するということ、~するかどうか」という意味もあります。非常にマイナーで、かつ、これを正式な表現と認めない人もいるようです。紹介だけしておきます。
I don’t know as I can pass the exam.
≒ I don’t know whether I can pass the exam.
(わたしがその試験を通過できるかどうか、わたしはわからない)
おわりに
いかがでしたか?接続詞だけでも非常に多岐にわたるため、意味を捉えきるのがなかなか難しいですね。+αの3種類は、全体像をお見せしたかったので紹介しただけです。ひとまず忘れてしまっても構いません。
また、実際に文章を読むときも、いちいち「これは理由のas、これは譲歩のas…」と意識する必要はないかもしれません。根幹のイメージであるイコールだけを思い浮かべ、読解に困るor問題で問われているときだけキチンと訳し分けできれば、それで良いような気もします。
最後にまとめを改めて載せておきます。
7. ~と同じくらい(as A as Bの形で)
8. ~するということ、~するかどうか(≒ that, whether)
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