今回はcould Vとcan’t have Vp.p.(過去分詞)の意味/使い方の違いをわかりやすく整理してみたいと思います。
ナニソレ
これは結構間違えやすい点なので要注意です。
記事はサクッと読めますよ!
could Vとcan’t have Vp.p.の意味/使い方まとめ
could Vとcan’t have Vp.p.の意味/使い方まとめは下記のとおりです。まずはざっと目を通すだけで大丈夫です。
- can: ~できる(可能) ⇒ could: ~できた
- can: ~してよい(許可) ⇒ could: ~してもよい(相手に尋ねる形で)
- can: ~でありうる(推量)* ⇒ could: ~でありうる
- can: ~でありうる(推量)* ⇒ can’t have Vp.p.: ~したはずがない(通例否定文)
*can(推量)は、肯定文では、一般的な可能性について言及。否定文では「はずがない」という意味になる
よくわからない…
具体的には下記にて見ていきましょう!
そもそもcanの意味とは
could Vとcan’t have Vp.p.の違いを考える前に、canの代表的な意味を確認してみましょう。could notもcan’t have Vp.p.も、canの過去の表現です。したがい、canが持つ意味から派生していくのです。
canが持つ代表的な意味はざっくり下記の3つです。
- ~できる(可能)
- ~してよい(許可)
- ~でありうる(推量)
これを過去の形にしたのがcould not Vとcan’t have Vp.p.なのですね。
たとえば、can⇒couldは、「可能」「推量」「許可」すべての意味に変化していきます。
- can: ~できる⇒could: ~できた(可能)
- can: ~してよい⇒could: ~してもよい(許可)
- can: ~でありうる⇒could: ~でありうる(推量)
一方、can⇒can’t have Vp.p.は、「推量」の意味にしかなりません(かつ、通常否定文で使用されます)。
- can: ~でありうる⇒can’t have Vp.p. : ~だったはずがない(推量)
このように、couldやcan’t have Vp.p.を見ていくときは、canがもともと持つ「可能」「許可」「推量」を軸に考えていくとすっきりします。
実際の用法は細かい制約がいろいろとあるので、そちらについては例文で具体的に確認していきましょう!
can: ~できる ⇒ could: ~できた(可能)
He could swim fast when he was young.
(若かったとき、彼は速く泳ぐことが出来た)
なお、couldとwas able toの違いは下記の記事でまとめています。実はかなり違う意味を持つので要注意です。
【本当のcould】couldは「できた」という意味にはならない【was able toとの違い】
can: ~してよい ⇒ could: ~してもよい(許可)
can: ~してよい ⇒ could: ~してもよい(許可)です。通常、相手に尋ねる形で使用されます。
これは意味の上では「現在」になっている点に注意です。
「過去形」には「心理的な距離を置く」という効果があり、その分canよりも控えめな表現になっています。
※「心理的な距離を置く」感覚が仮定法で使用されることもあります。詳細は下記の記事をご参照ください。
【本質理解!】仮定法を基礎からやり直し【仮定法過去、仮定法過去完了とは?】
例文はこちらです。
Could I sit here ?
(ここにお座りしてもいいでしょうか)
can: ~でありうる ⇒ could: ~でありうる(推量)
can: ~でありうる ⇒ could: ~でありうるです。
これも意味の上では「現在」になっている点に注意です。「過去形」にすることにより、「心理的な距離を置く」⇒「canよりも推量の確信度を下げる」という効果を持っています。
canがこの意味を持つとき、通例肯定文では一般的な可能性に言及します。個別の具体的な可能性については通常使えません。
〇 Tokyo can be quite hot in summer.
(東京は夏にかなり暑くなり得る)
× Tom can be in the hospital now.
(トムはいま病院にいる可能性がある)
一方、couldは肯定文・否定文のどちらも特に製薬なく使用可能です。例文はコチラです。
This could be true.
(これは本当かもしれない)
This couldn’t be true.
(これは本当であるはずがない)
推量のcanが個別の可能性に使えないのは、canが「内在する可能性/能力」をイメージする単語だからです。詳しくは下記の記事にあるので、ぜひお読みくださいね。
「can: あり得る(推量/可能性)」の意味・使い方 -could/may/mightとの違い
can: ~でありうる ⇒ can’t have Vp.p.: ~したはずがない(推量)
can: ~でありうる ⇒ can’t have Vp.p.: ~したはずがない(通例否定文)です。
couldでは「過去」の推量の意味になりませんでしたが、can’t have Vp.p.では「過去」に対する推量の意味になります。
He can’t have done it by himself.
(彼はそれを自分自身でしたはずがない)
まとめ
いかがでしたか? 最後にまとめを再掲しておきます。
- can: ~できる(可能) ⇒ could: ~できた
- can: ~してよい(許可) ⇒ could: ~してもよい(相手に尋ねる形で)
- can: ~でありうる(推量)* ⇒ could: ~でありうる
- can: ~でありうる(推量)* ⇒ can’t have Vp.p.: ~したはずがない(通例否定文)
*can(推量)は、肯定文では、一般的な可能性について言及。否定文では「はずがない」という意味になる
助動詞はややこしいところですので、これを機にしっかりマスターしてくださいね!
なお、can’t have Vp.p.のように、may/must/should/need notなどがhave Vp.p.と組み合わせて使われた形は、下記の記事にまとめてあります。
また、超上級編に謎解きの英文法(助動詞)があります。研究者が執筆しているもので、シリーズ化されています。内容は非常に高度ですが、目からウロコが100枚くらい落ちてきます。英語に自信のある方にはお勧めです。
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