【イメージ理解】前置詞ofの主な意味まとめ -なぜ”of 抽象名詞”

前置詞

 

今回は前置詞ofのイメージや主な意味について説明したいと思います。

 

「~の」って訳しておけばいいんじゃないの?

 

単純な訳を覚えるだけではかなり厳しいです。

 

熟語的な表現にofはよく出てきますが、イメージをきちんと理解していないと、「なぜここでof?」という事態が多発するからです。

 

 

言われてみればそんな気も…

 

 

逆に言えば、前置詞のイメージをきちんと捉えることが出来ていれば、熟語の暗記が飛躍的にラクになります。

 

そして、英語の本質的な理解にもつながります。

 

 

というわけで、これを機会に前置詞ofのコアなイメージを理解してしまいましょう!

 

ofのコアイメージは「所属からの分離」

まずはofのコアイメージから理解していきましょう。

 

 

「ofのイメージは分離だ!」と言われることが多いです。

 

これはその通りです。間違ってはいません。ただ、これだけだとちょっと足りないんですね。「どうしてこの熟語でof?」というコトが結構起こります。

 

たとえば、think of~で「~について考える」ですが、「分離」の意味だと、なぜofが使われているのか説明できません。

 

 

そこで、もうひとひねり加える必要があるのです。

 

ズバリ、ofのコアイメージは「所属からの分離」です。

 

 

図で示すとこんな感じです。

 

 

絵がヘタなのでわからない!

 

 

少し説明を加えましょう。

 

 

A of Bを例に説明します。ofを「の」と訳すと、A of Bで「BのA」という訳になりますね。たとえばone of themなら、「彼らの一人」です。

 

 

これは、B(them)からA(one)を分離して話題に出していることを意味するのです。

 

A(one)はもともとB(them)の一部だったんだけど、A(one)だけがくり抜かれてB(them)から独立して話題に出されている、というイメージです。

 

「分離」の意味そのものだね!

 

 

で、ここからが大切なんですが、

分離独立したはずのA(one)は、もともと所属していたB(them)のことを意識することがあるのですね。

 

 

Aくん(one)「B(them)から離れたけど、おれ、まだB(them)に未練があって…」

 

 

無理やり擬人化するとこんな感じです。場合によっては、分離したはずのA(one)がもともと所属していたB(them)を意識してしまうことがあるんです。

 

だから、ofは単なる「分離」ではなく、「所属からの分離」で考えた方がしっくりくるのです。

 

本当に?

 

 

ofの主な意味には、いくつかパターンがあります。訳のパターン別に例文付きで見ていきましょう!

 

前置詞ofの主な意味まとめ

まずは全体像から。ofの主な訳を一覧にすると下記のとおりです。

 

ポイント
  1. BのA
  2. Bで出来ている(構成要素・物質)
  3. Bについて
  4. BというA(同格)
  5. of 抽象名詞 = 形容詞
  6. B出身の(起源)、Bが原因で(結果)
  7. Bを/Bから(分離)

 

★コアイメージは「所属からの分離

 

 

多くて覚えられないよ…

 

 

ぱっと見た数は多いですが、ofを「所属からの分離」というイメージで理解すると、全て理解出来てしまいます。

 

例文付きで一つずつ見ていきましょう!

 

BのA

まずは基本の訳から。A of Bの形で「BのA」という訳になります。

 

「分離」よりも「所属」のニュアンスが強いです。集団Bの中から、Aだけを取り出して話題にしている感じですね。

 

 

例文はコチラ。

He is a member of the club.

(彼はそのクラブの一員だ)

 

「A = a member (一員)」

「B = the club (そのクラブ)」ですね。

 

「the club (そのクラブ)」という団体に所属する人たちの中から、

「a member (一員)」という個人を話題にしているイメージです。

 

 

また、こんな例文も紹介しておきます。

People praised the courage of the hero.

(人びとはその英雄の勇気を称賛した)

 

「A = the courage (勇気)」

「B = the hero (その英雄)」ですね。

 

 

「the hero (その英雄)」は一人の人物なので、いろんな要素で構成されているわけです。

 

独りよがりな要素、責任感の強い要素、あるいは弱虫な要素…

 

その中から「the courage (勇気)」という要素を取り出し、話題にしているんですね。

 

 

「the courage (勇気)」は、「the hero (その英雄)」に所属している要素です。そのため、この例文は「所属」の意味でofを捉えることが出来ます。

 

Bで出来ている(構成要素・物質)

of Bで「Bで出来ている」という訳もあります。Bには構成要素・物質がきます。

 

構成している要素や物質に意識を向けるわけなので、「所属」のニュアンスが強いですね。

 

 

以下は例文です。consist of~は「~で成り立つ、構成される」という表現ですが、まさに構成要素・物質の意味でofを使っています。

The movie consists of two parts.

(その映画は2つのパートで構成されている)

 

 

もう一つ例文です。

This is a table of wood.

(これは木製のテーブルだ)

 

こちらの方がわかりやすいかもしれません。「wood (木)」から一部をくり抜いて、「a table (テーブル)」を作ったというイメージです。

 

まさに図のイメージ通りですね。

 

 

同じように、“a man of character: 人格者 (≒性格からできている人)”なども意味を捉えることが出来ますね。

 

この訳のパターンは、「所属」に近いイメージで捉えるとわかりやすいです。

 

Bについて

of Bで「Bについて」という訳もあります。

 

本体であるBに意識を向けるので、「所属」のイメージが近いですね。

 

 

例文はコチラ。think of~で「~について考える」、おなじみの訳ですね。

I sometimes think of my old friends.

(わたしは時として、昔の友達について考える)

 

 

せっかくなので、think ofとthink aboutの違いにも触れておきます。

 

 

どちらも「~について考える」ですが、

  • think of youだと、「君そのものについて考える」
  • think about youだと、「君の周りのコトについて考える」

です。

 

ofだと「所属」のイメージがあるので、youそのものを考えるイメージになってしまいまいます。

 

一方のaboutは「だいたい、約」という訳からもわかる通り、youの周り(図で言うとBの周囲)を考えるイメージです。

 

 

部下・後輩をお持ちの皆さんは気を付けてください。

 

「君のコトちゃんと見てるんだぜ、考えてるんだぜ★」という意味のつもりで”I think of you.”と言うと、場合によっては「君という人間そのもの、君自身を考えているんだぜ(ニチャア」という風に映ります。

 

その人との関係性によっては、じゃっかんキモイ(=距離感が近すぎ)と思われるかもしれませんので、think ofの使い方には注意してくださいね。

 

BというA(同格)

A of Bで「BというA」という訳もあります。

同格のofと呼んだりもします。

 

 

ここでは、AとBがほぼ同一視されているんですね。

 

これまでは「Bが母体、Aが分離したもの」というイメージが強かったですが、

ここでは「A≒B」とみなしています。Aの存在が大きくなったわけです。

 

あえて分類するなら、「所属」のイメージが近いでしょうか。

 

 

例文はコチラ。「AというB」と訳しています。

The fact of his passing the exam surprised us.

(彼が試験をパスしたという事実は、我々を驚かせた)

 

「A = the fact (事実)」

「B = his passing the exam (彼がその試験に通った)」ですね。

 

AとBをほぼ同一視しています。

 

of 抽象名詞 = 形容詞

これは日本語訳にしづらいのですが、「of 抽象名詞」が形容詞の意味になる用法があります。

 

「of 抽象名詞 = 形容詞」と覚えてください。Bにあたるのは「抽象名詞」の部分です。

 

 

まずは例文で見てみましょう。

This is a matter of importance.

= This is an important matter.

(これは重要な問題だ)

 

 

importanceは「重要性」という意味の名詞です。「重要性」というのはある種の概念ですよね。具体的な形がないです。

 

思考や性質など、具体的な形のない名詞を抽象名詞と呼びます。

 

「of 抽象名詞 = 形容詞」なのはどうして?

 

 

これも「所属」の延長線上で捉えることが出来ます。おなじみのイメージ図を見てください。

 

 

今回の例文で言えば、

「A = a matter (問題/形容詞に修飾されるもの)」

「B = importance (重要性)」ですね。

 

つまり、

「AはもともとBに所属している」

「所属してるということは、AはBの性質を持つ」

と考えることが出来ますね。

 

 

「AはBの性質を持つ」というニュアンスを出すためには、A of Bをどのように訳せばよいでしょう?

 

Bを形容詞的に訳せばよいですね。

 

 

こんな風に考えれば、「of 抽象名詞 = 形容詞」という訳にも納得出来ますね。

 

B出身の(起源)、Bが原因で(結果)

of Bには「B出身の」「Bが原因で」という訳もあります。「起源・結果の訳」と呼ばれたりもします。

 

本体であるBに意識を向けつつも、分離したAにも意識を向けています。

 

「所属+分離」のイメージでとらえると良いと思います。

 

 

例文で考えてみましょう。a man of Osakaを「大阪から分離した男=大阪出身の男」と考えてください。

He is a man of Osaka.

(彼は大阪出身の男だ)

 

もともと所属していた大阪から、男が分離したイメージです。

 

 

人なので「出身の」という訳にしていますが、この訳のパターンは「起源」という訳に分類されています。

 

 

もう一つ、「原因」の方の例文も載せておきます。

He died of cancer.

(彼はガンが原因で亡くなった)

 

所属元であるBから分離して、Aが生まれたと考えると、

「Bが原因で、Aという結果が発生した!」という訳になります。

 

今回の例文なら、「cancer (ガン)」が原因で、「He died (彼はなくなった)という」という結果が生まれた、ということですね。

 

Bを/Bから(分離)

of Bには「~を、~から(離れて)」という訳もあります。

 

 

日本語訳だけだと少しわかりづらいのですが、「分離」の意味合いが全面的に出ていることを意識してください。

 

たとえば、rob 人 of~で「人から~を奪う」という訳になります。人と、お金(や衣服など)を離すイメージですね。

 

 

例文はコチラ。

He robbed me of money.

(彼は、わたしからお金を奪った)

 

 

またこちらの例文では、大阪と東京が地理的に離れていることをofで表現しています。

Osaka is 500 kilo meters west of Tokyo.

(大阪は、東京の500キロ西にあります

≒直訳:大阪は、東京から500キロ西に離れています)

 

なお、数字+方角+of+場所「(場所)から(数字)キロ(方角)に離れている」という訳になります。覚えておくと便利です。

 

 

なお、of「分離」の意味を強調した単語がoffです。offの語源がofにあるのですね。ofが「分離」の意味を持つのも納得です。

 

せっかくなのでoffに少しだけ触れておくと、offは「分離」から派生して「中断」の意味も持ちます。

 

なお、下記にはoffの主な意味・用法をまとめてありますので、よろしければぜひお読みくださいね。

参考:【本質から理解!】前置詞offのイメージとは

 

 

これは「分離」の意味の例文です。

He got off the bus.

(彼はバスから降りた

≒直訳:彼はバスから離れた)

 

こちらは「中断」の意味で使われています。

He turned off the light.

(彼は電気を消した

≒直訳:彼は電気を中断した)

 

まとめ

いかがでしたか?

 

「所属からの分離」というイメージで捉えると、ofの訳は一気に理解しやすくなりますね!

 

 

これから熟語を覚えるときも、ofが出てきたら今回のイメージを思い出してくださいね。暗記の効率がグッと上がりますし、なにより英語の本質的な理解にもつながります。

 

of以外の前置詞もそのうち紹介したいと思いますので、よければまたお願いします。

 

※下記の記事では、ofのイメージを元に様々な動詞表現を紹介しています。これを機に単語力を一気に増やしたいという方はぜひ!

 

rob 人 of モノ 型の動詞をまとめて理解

May I ask a favor of you?でofを使う理由

【決定版】ofを使う熟語/定型表現まとめ一覧

 

 

なお、前置詞についてもっと知りたいという方は、

当ブログの前置詞カテゴリーの記事イメージで比べてわかる 前置詞使い分けBOOK一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)が大まかなイメージを理解するのに役に立つと思います。

 

 

 

 

 

特に、一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)前置詞以外の英文法の事項も新鮮な観点(かつイメージに残りやすい本質的な記述)で説明してくれているので、お持ちでない方は手元に一冊置いておくと英語学習がとても楽しくなると思います。

 

 

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巻末に各前置詞をおおざっぱにまとめた簡単な説明が載っていますが、それがとてもわかりやすく、正直その説明のためだけでもこれを一冊買う価値があります。

 

前置詞は奥が深いので、ぜひぜひ上記の書籍に目を通してみてくださいね。見える世界がガラッと変わると思います。

 

コメント

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